2025.01.24

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冬の駐車場は危険がたくさん! 積雪・凍結時における駐車場と車両の対策を解説します

気温が氷点下になると路面が凍結し、スリップ事故の要因となる危険な状態になります。
雪に慣れていない地域では、冬季でもノーマルタイヤ(夏タイヤ)のまま走行することも見受けられます。

今回は駐車場管理会社の観点から、駐車場の積雪・凍結時における事故が発生しやすい場所とその対策方法について解説していきます。

■駐車場の積雪・凍結時における事故が発生しやすい場所とその対策

スロープ

上り下りするためのスロープ(坂)が設けられている場合、雪や凍結によって滑りやすくなっていることがあり、非常に危険です。また坂道発進時にタイヤが空転し、制御が効かなくなることもあります。

【対策】
駐車場側・・・事前に凍結防止剤を散布する。もしくはカラーコーンで通行不可(封鎖)とすることも一つの手です。
車両側・・・屋外にさらされたスロープは危険です。走行しないか、もしくはスタッドレスタイヤやタイヤチェーンを取り付けましょう。



駐車枠

積雪により駐車枠を区切るラインが視認できなくなることがあります。

【対策】
駐車場側・・・凍結防止剤の散布。積雪時はラインがわかるように雪かきをしましょう。
車両側・・・車止めが目視できる場合や、車室中央を示す目印があればそれらを目安に駐車しましょう。

 

出入口

道路と駐車場の出入口に切り下げなど段差がある場合、ここが凍結するとタイヤが空転し、滑るおそれがあります。

【対策】
駐車場側・・・公道のため安易に凍結防止剤を散布することが難しい場合があります。可能であれば安全に配慮し、雪かきなどで対策をしましょう。
車両側・・・目視可能な場合は凍結していないか注視しましょう。またスタッドレスタイヤやチェーンを取り付けましょう。


床が鉄板敷の簡易な立体駐車場

床面全体が凍結する可能性があります。通常走行をしていても車が滑り、制御不能に陥ることがあります。

【対策】
駐車場側・・・凍結防止剤を散布しましょう。ただし全体的に凍結する可能性があるため、融雪するまで駐車場を封鎖することも検討しましょう。
車両側・・・スタッドレスタイヤやチェーンの取り付けが必須ですが、可能であれば事前に凍結していないかチェックしておくとより安全です。

 


■駐車場の積雪・凍結対策

冬季の道路安全対策としてよく使われる「凍結防止剤」と「融雪剤」。どちらも雪や氷による滑りやすい道路を防ぐために用いられますが、これらは駐車場でも同様に活用できます。
しかし、それぞれの役割や使用方法の違いのほか、デメリットもあります。

凍結防止剤とは

 

凍結防止剤は、雪や氷が発生する前に道路や歩道に散布されることで、凍結そのものを防ぐために使用される化学薬品です。主に塩化カルシウム(CaCl2)や塩化マグネシウム(MgCl2)が使用されます。これらは吸湿性が高く、低温下でも効果を発揮します。

メリット

・凍結を未然に防ぐことができ、安全性が向上する。

・吸湿性があるため、湿度を保持し、効果が持続しやすい。

デメリット

・予防的な使用が必要であり、タイミングを誤ると効果が薄れる。

・塩分による金属腐食や環境への影響が懸念される。

融雪剤とは

一方で融雪剤は、積もった雪や氷を溶かすために使用される化学薬品です。最も一般的に使用されるのは塩化ナトリウム(NaCl)です。融雪剤を散布すると化学反応により雪や氷の融解温度が低下し、気温が氷点下でも雪や氷が溶けるようになります。

メリット

・即効性が高く、凍結した路面を短時間で溶かすことが可能。

・比較的コストが低い。

 

デメリット

・使用後、溶けた雪が再び凍る可能性がある。

・塩分による金属腐食や環境への影響が懸念される。

適切な使い分けのポイント

凍結防止剤と融雪剤を効果的に使い分けるには、下記のように状況に応じた判断が重要です。

  • 凍結防止剤を使用する場合

    ・雪が降る予報が出ている。

    気温が氷点下になり、路面凍結が予想される。
  • 融雪剤を使用する場合

    ・すでに雪が積もっている。

    ・道路や歩道がすでに凍結している。


 

環境への配慮と注意点

凍結防止剤や融雪剤は便利ですが、使用量や環境への影響に注意する必要があります。例えば、塩分によるダメージは駐車場の設備のほか、散布した箇所を走行した車両にも影響を及ぼします。そのため必要最低限の量で使用することが推奨されます。

また、近年では環境負荷を軽減する新しいタイプの融雪剤や凍結防止剤も開発されています。

まとめ

凍結防止剤と融雪剤は、冬季における駐車場の安全対策として活用できます。それぞれの特性を理解し、適切な場面で使い分けることで、効率的かつ環境に配慮した除雪対策が可能になります。

ただしこれらの薬剤を散布することで、確実に安全が保障されるわけではないことは留意しておきましょう。

 


■車両の対策 ―タイヤチェーンやスノーソックス、スタッドレスタイヤの活用-

車両側で施す積雪・路面凍結の対策について紹介していきます。

積雪時や路面凍結時にノーマルタイヤで走行すると、スリップ事故を起こす可能性やスタックし走行不能となるおそれがあります。
そこで活用すべきものがスタッドレスタイヤをはじめとした冬季タイヤです。

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤは積雪・凍結した路面など厳しい条件下でグリップ力を発揮するタイヤです。
雪国ではもちろんのこと、雪に慣れていない地域でも朝晩は気温が氷点下になり、路面が凍結していることがあります。
冬になる前にタイヤ交換をしておくことをおすすめします。

なお夏タイヤと比較すると柔らかく、夏季に使用すると熱せられたアスファルトでは却って制動距離が長くなります。
シーズンごとに適したタイヤに履き替えることが大切です。


タイヤチェーン

タイヤチェーンは金属製でできた鎖で、タイヤに取り付けるものです。スタッドレスタイヤよりも制動に優れています。そのため峠道や高速道路など、チェーン規制が敷かれている場合ではスタッドレスタイヤでもチェーンを取り付けなければなりません。

スタッドレスタイヤ4本を履き替えるコストと比較すると安価なため、雪が滅多に降らない地域でも万が一に備え用意しておくとよいでしょう。

ただしタイヤチェーンは金属のため乗り心地に難があります。また降雪がなかったり路面が凍結していない道路では使用することができません。さらに金属の為、サビにも気をつける必要があります。

金属の他、ゴムやウレタン製のタイヤチェーンもあります。それぞれ制動性やコストなど一長一短ありますので、比較検討するとよいでしょう。


スノーソックス

スノーソックスとは布製で、タイヤに覆いかぶせて使用するタイヤチェーンの一種です。
金属のタイヤチェーンと違い、走行時の衝撃が少なく、また着脱が比較的容易に行えます。

ただし耐久性に劣るため、高速走行や登坂走行、長期使用には向いていないことには注意が必要です。

 

 


■おわりに

セイワパーク株式会社が本社を構える福岡では、年に一度程度ですが路面が凍結するほどの雪と寒波に見舞われることがあります。
その際にノーマルタイヤのまま走行した車両が、スリップやスタックを起こしてしまっている場面をニュースでよく目にします。
確かに福岡では雪が降っていない限りは、冬期でもノーマルタイヤで通常走行が可能です。しかしそのために突然の積雪・凍結時に対策ができておらず、結果として事故や渋滞で混乱を招いています。
冬季に備えてタイヤ交換やチェーンの準備をすることが望ましいですが、雪に慣れていない地域の場合、車での外出を極力控えることが一番の事故防止対策となります。どうしても運転をしなければならない場合は、タイヤチェーンの装着など安全対策を実施の上、無理のないよう十分お気をつけください。

また駐車場を管理されている中で、積雪・凍結時の対策に不安のある方はぜひセイワパークまでご相談ください。

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